こんにちは、日向夏です。
「家を建てよう!何から始めるの?」の記事で、希望する部屋・希望する生活・現在生活していて不便と感じるところを書き出せたら、次にすることは情報収集です。
情報収集と聞くと、土地探しや住宅メーカー選びや、展示場を回って好きな間取りを考えよう!・・・って思いますよね?
まだ待ってください!
土地探しや展示場は、まだ参考程度だけにしておきましょう。
まだ先に考えることがあるんです!
とても重要で、家の隠れて見えない所 を考えるための情報集めです。
家の見えない所
最初に、あなたが家が欲しいと思った理由は何でしたか?
たくさん収納がほしい、お庭が欲しい、周囲を気にせず音楽を聴きたい!など楽しい生活を想像していると思います。でも、その楽しい生活は「安心できる家」があってできるのです。
もし、家を建てたけど、安心して生活できない家だったら、どうでしょうか?
たとえば・・・
地震で家が傾いた!
年中、壁にカビがでる!
夏暑くて冬寒いからエアコンつけっぱなしで光熱費が高い!
自分ではどうにもならない不具合があったら、楽しく生活はできませんね。
家の内側の壁クロスは、汚れたら新しく貼り替えればいいですし、家電は壊れたら買い替えることができます。でも家の壁の中に不具合が見つかった時は、工事のやり直しをお願いしても費用が高くなり、住宅ローンを払いながら、さらなる借金はできません。
数十年先のリフォーム時期まで、そのまま我慢して生活するということになります。
家の良さを決める最も重要な部分! それは隠れて見えない所にあるのです!
この隠れて見えない所は、楽しい生活になるか、後悔する生活になるかの分かれ道なのです。
では、「隠れて見えない所」とはどこでしょうか?
性能の良い家
家づくりについて調べ始めると、よく見たり聞いたことがある性能の良い家という言葉。
じつは、隠れて見えない所=性能の良い家 です。
そして性能の良い家とは・・・
「耐震性」「断熱性」「気密性」「耐久性」「省エネ」「防犯対策」です。
たくさんありますね!とても重要な部分です。
では、くわしく内容を考えてみましょう。
耐震性
「耐震性能」とは、地震が起きたとき、建物へのダメージを抑える能力のことです
地震などの自然災害は突然来ます。
ご飯を食べている時、子供が留守番をしている時、夜寝ている時、それは誰にもわかりません。
だからこそ災害が起きたとき、自分や家族の命を守れる建物でなくてはなりません。
では、地震に強い家を建てるためには、どうすればいいでしょうか?
耐震等級と地盤
よく聞く言葉だと思いますが、建物には国が定める住宅性能表示である耐震等級というものがあります。等級にはレベルが1から3まであり、最高が耐震等級3になります。
しかし、耐震等級3だから強い家というわけではありません。しっかりと構造計算(許容応力度計算)をしていることが重要です。
次に、「地盤」です。
「地盤」とは、家などの構造物を建てる土地のことです。地盤が弱ければ、地震で揺れたときに家が傾いてしまいます。その地盤の状態を調べるのが「地盤調査」です。
地盤調査の結果で、その土地に合った基礎が決まり、建物の安全性が強化されます。
地盤調査や構造計算はとても大切です。
地震対策についてどのような工法・構造をとっているか、地震について実験や研究などされているか、ホームページや展示場などで確認しましょう。
断熱性
「断熱性能」とは、家の外側と内側の熱の伝わりをさえぎる性能のことです。
断熱性の高い家は、
夏は外からの熱気や日差しをさえぎりエアコンの冷房が効きやすく、冬は外からの冷気をさえぎることで暖かな空気が外に逃げないようにします。
断熱性の低い家は、
冬に外が寒いときは、暖房器具をつけていても部屋が寒く、夏に外が暑いときは、冷房をつけていても部屋が涼しくならないということになります。夏も冬も、冷暖房を使い続ける時間が長くなるので、光熱費も高くなります。
断熱性を高めることは、快適な室温を保てるので、エアコンの冷暖房の運転を少なくでき、省エネ住宅となり光熱費を減らすことができます。
家の中を快適にするためには、「断熱性を高くする」ということです。
「Q値」「UA値」・・・
家の断熱性を示す数値です。展示場やカタログで見かけることが多いです。
「Q値」「UA値」 は計算方法の違いですが、「両方の数値が小さいほど断熱性が高い」ということを覚えておいてくださいね。
「断熱材」・・・
断熱材もいろいろあり、材質によって断熱性能が変わってきますし、価格も差があります。
展示場では住宅会社が使用している断熱材を展示しているところも多いので、直接見たり触れたりできます。数十年後には劣化して、形が変わってしまうものは避けたいですね。
どんな断熱材を使っているのかわからない場合は、遠慮せずに営業の人に確認してみましょう。
「窓」・・・
窓は明るさを得るために、面積も大きく、たくさん作っている家もありますね。
じつは、家の中で熱の出入りが一番大きい場所なんです。
窓を小さくしたり、必要以上に作らないことは非常に効果的です。
重要なのは、家をしっかり断熱することです。
気密性
気密性とは、家の隙間のことです。
気密性が悪いと、隙間がたくさんあるので冬の寒い空気が多く入ってきます。
気密性が良いと、隙間が少ないので冬の寒い空気が入ってこないので、部屋の中は暖かいままということです。夏でも同じことがいえますね。
気密性が悪いと空気が流れるので、冷暖房を使い続ける時間が長くなります。
そして長くなると光熱費も高くなります。
さらに、花粉や虫、湿気や外からの音なども家の隙間から入ってきます。
花粉症などのアレルギーなどがある人は、花粉の侵入を少なくすることもできますし、湿気を防ぐことで家の腐食やカビなども少なくなります。
家の中を快適にするためには、「気密性を高くする」ということです。
「C値」・・・
家の気密性を示す数値です。
展示場やカタログなどでよく見かけるものですが、「数値が小さいほど気密性が高い」ということを覚えておいてくださいね。
「C値」は 専用の測定機器で測定することで数値がでます。気密測定をすることは、住宅会社にとって大変手間のかかることです。建築の途中に専用の測定機器で測定し、数値の値が悪いときは隙間をふさぐ工程が増えるからです。
快適に生活するために、気密測定はとても重要なことなのです。
省エネ性
省エネ性とは、エネルギー消費を抑えることができることです。
断熱性・気密性を高めると、冷えた空気・暖めた空気の流動が少なくできるので、電気の消費も少なくできます。さらに、太陽光発電システムがあると、屋根で作った電気を売れば、日常生活で使った電気代を補えることができます。
太陽光発電には、国が補償している「固定価格買取制度」というのがあります。
これは太陽光で発電した電力を電力会社が一定期間・一定価格で買い取る制度です。
住宅用太陽光発電は10kW未満で、買取期間が10年と決まっているため、10年間は買取をしてもらえることになります。(2021年時点)
太陽光発電は、屋根で発電し自宅の電力として消費できますが、太陽が出ている日中は使用できても夜は発電できません。夜も電気を消費するためには、蓄電池が必要になります。
しかし、まだまだ蓄電池は高額です。
数年後には、蓄電池の開発技術も進み、需要も多くなり無理せずに購入できる価格になると思います。それまでは、売電という形で収入になれば生活費も助かりますね。
将来は、蓄電池や電気自動車などの購入も考えておくといいですね。
耐久性
耐久性とは、建物が劣化せずに長持ちすることです。
家を建てたら、10年、30年、50年と長く住み続けれることが理想ですね。
家の構造に使われている材質や施工のしかたによって、耐久性は変わります。
家に使われる構造材はたくさんあります。
屋根・外壁・窓・柱など、耐久性を高めるためには、家全体を考えながら選んでいかなくてはなりません。
私は家を建てる際に、シロアリ対策がされているかを重要視しました。
シロアリによって柱が腐れると家を支える力が弱くなり、地震の時に耐えることができずに壊れてしまうからです。腐食を見つけて修理をする場合も簡単にはできません。
シロアリ対策(防蟻処理)がされているか、確認してみてくださいね。
防犯対策
家族が安心して生活するために、防犯対策も必要です。
テレビでは毎日のように、窃盗・犯罪の報道が流れています。
感染症や物価も高くなり、生活するのに厳しい時代となっています。さらに、プライバシーを守るため、近所の人と接することも少なくなってきています。
共働き家庭が多い時代なので、子供が学校から帰ってきても、親は働いているので、子供だけで親の帰りを待つことになります。祖父母と同居していれば少しは安心ですが、高齢になると力も弱くなり心配です。
割れにくい窓、燃えにくい外壁、カギの多重ロック、防犯ブザーなどを重視することも大切です。
窓は、最近は「トリプル樹脂サッシ」という、「Low-E ガラス+防犯合わせガラス」という3層構造もあります。
防犯対策などは、家を建てる際にオプションとして扱われることも多く、金額も高くなります。
「我が家は大丈夫だから、家具の購入や庭の設計に使いたい」と考えるのも理解できますが、家族を守る、生活を守るための最低限の防犯対策は、絶対に必要です。
犯罪で、家族や財産を失ってから後悔しても遅いのです。
まとめ
建築費を安く抑えたために数年後のメンテナンス費用が高くかかったという話も。
建築費が多少かかっても、性能の良い家を建てることが、未来の出費を少なく抑えることができると考えましょう。
最近は感染症の流行で感染リスクが高まるおそれがあるため、避難所に逃げるよりも在宅避難を推奨されています。住み慣れた自宅で生活を続けることができるなら、精神的にも安心できますね。
ただ、在宅避難ができるのは、家での安全が確保できて、生活ができる状況のときです。
住宅展示場や完成見学会などに行ったときは、家の性能を意識して厳しい目で確認しましょう。
もし地震が起きたとしても、あなたと家族の命を守ってくれる!安心して生活できる!と考えながら判断しましょう。